発想の転換


「じゃあ、ブルーが上になれば?」
レッドはそう言った。
「お、オレが…上っ?!」
「だって、やっぱり主導権は攻める方にあるし…ブルーは、精神的に優位だから『攻め』の方が合ってるんじゃない?」
レッドはあっけらかんと言ってくれる。



今、オレはレッドの部屋に居る。
そして、エッチな相談をもちかけている。
だってさぁ、レッドってなんか話しやすいんだよな♪
レッドも嫌がってはないみたいだし、色々参考になるし、だからよくこうやって相談してるんだ。
もちろん、草太郎との事をね。
「上かぁ…でも、オレ何していいかわかんない」
「うーん…それに関してはおれもわからないなぁ。おれもいつも下だから」
ということは…
「じゃあ、イエローに相談すればいいのか!」
しかし、オレの名案に、レッドはいい顔をしない。
「イエローが、相談にのってくれるかなぁ。ほら、イエローって『自分のことは自分で解決!』主義だから…」
それでも、オレは自分の名案を信じた。
「だいじょーぶだって!当たって砕けろ!言ってみるにこしたことはない!オレ、ちょっとイエローのとこに行ってくる♪」
オレはレッドへのお礼もそこそこに、部屋を駆け出した。
「だいじょーぶ…かなぁ?」
後ろでレッドが苦笑していたけれど。



「はぁ?なんだよそれは」
攻め方教えてくれ…と言ったら、イエローはスットンキョーな声をあげた。
「おまえはブラックに踏まれる側だろーが」
「だからっ!ブラックがなかなか奥手だから、オレが攻めてやろうってわけなんだよ!」
イエローの部屋。
ベッドの上でウクレレの調律中だったイエローは、レッドみたいに快くはなかった。
まぁ…予想済みだけどさ。
オレはイエローの机の前のいすに逆座り。
「攻め方なんてものはなー、自分の経験から見つけだしてくもんなんだよっ」
「それじゃ遅いよ!ぱぱっとマスターしたいんだ!」
オレの、自分でも無茶だと思う注文に、イエローは困ったように眉をしかめる。
しかし、しばらくして、イエローはぽんと手をたたいた。
「そーだ」
「マスターできるの?!」
なにか思いついたらしいイエローに、オレはずいっとせまる。
イエローは、顔をあげ、オレをじっと見て、
「今、ここで、経験すればいい」
と言った。
……………………
「………は?」
いやまて、イエロー今なんて言った?
今ここで?経験?…ってことは……
「だから…俺と、今、ここで、ヤればいーだろーが」
「ええぇぇぇぇぇっ!?」
オレは絶叫してしまった。
「なんだよ、人がせっかく教えてやろーって言ってんだぜ?」
いやらしく笑うイエロー。
げっ…こいつ、実はすっげぇエッチ??
「そんなの…ムリだ」
「ブラック意外に貞操はやれな〜い♪…ってか?」
からかうようなイエローの口調が、しゃくにさわる。
「おにーさんが教えてやるぜ?海くん」
「い、イエローが名前呼ぶなっ」
「っかー、やっぱガキだな。ばかみてーにかわいい」
「ガキってゆーなっ!!」
むきになって、いすから立ち上がるオレ。
それがいけなかった。
「ほぅ…」
イエローはおもしろそうにオレを眺めて、いきなり床にオレを押し倒した。
  ごんっ
冷たい岩肌に打ち付けられて、オレは頭を思いっきり打つ。
「ってぇ〜」
「攻め方…まずは上にのれ」
イエローは、痛がってるオレのことなんか無視して、そんなことを言った。
「は…はぁ?」
オレは何のことかわからずに、声をあげる。
「攻め方教えてほしーんだろ?」
「あ…」
頭に血が上ってて、忘れてた。
でも、オレ、草太郎以外のやつには…
…うーん。
なんて迷ってると!
「な、なにしてんだよぉっ」
イエローが、オレの首筋に舌をはわせた。
ぞくぞくっと、背中を変な感覚が駆け上がる。
「なにって…感じさせてんだよ。気持ち良くないか?」 「な、ないよっ…」
って、ちょっとウソ。
このぞくぞくは、知ってる。気持ちいいんだ。
「キスの方がすきか?」
「やぁっ…んむっ」
やだって言ってるのに、イエローは強引にオレの唇を奪った。
しかも…うわっ、これディープだよっ!!
舌がっ舌がぁっ…
くちゃくちゃ音がするくらい、激しいキス。
こ、こんなの、されたことないよ〜
「やっ…だぁ!!」
オレは懇親の力をこめて、イエローを突き放した。
離れる唇。 「…はっ……あ…はぁ……」
オレは必死に息をつく。
イエローは零れた唾液をぬぐっている。
そして、冷たーい目でオレを見下して、
「…んだよ、やりたくねーのか」
つぶやいた。
…やだ、怖い。
イエローが…怖いよ。
「ごめんっ…!!」
オレは、イエローの腕をすり抜けて、逃げ出した。



「わっ!ぶ、ブルー!」
逃げてる途中の廊下で、レッドにぶつかった。
「あ…レッド……」
「ちょっと、ブルーどうしたんだ?!なんで泣いてるんだ?!」
レッドがオレの両肩をつかんで聞いてくる。
「えっ…」
オレは目元に触れてみる…
触れたのは、涙。
ここで初めて、自分が泣いてたことに気がついた。
「オレ…」
半ば呆然としてしまう。
「ブルー、イエローのところに行ったんだね?」
レッドは優しく聞いてくるから、つい正直にうなずいてしまった。
すると、みるみるレッドの顔色が変わって…
「岳のやつっ」
小さくつぶやいてた。
「ブルー、とにかく部屋にもどった方がいいよ」
「あ、あぁ」
言われなくてもそうするつもりだ。
涙なんて、見られたくない。
「じゃあね」
レッドは走って…イエローの部屋に向かったみたいだった。



自分の部屋に戻って、まず、ベッドに突っ伏した。
涙は、もう止まってるみたいだった。
「そぉたろぉ……」
そうつぶやいた自分の声が、あまりにも情けなくて、また泣きたくなってしまう。
草太郎に攻められてるときは、怖くないのに…
ってゆーか、オレが「ヤれヤれ!」って言って、やっとヤるからな…あいつは。
うわ。じゃあ、オレ、草太郎の方が合ってるってことなのかな…
ちょっと強引にでも攻めてほしいなんて、思ったことは何度もあるけど、や…だな。強引はやだ。
怖かった…
草太郎、買出しからなかなか帰ってこないな…
こんな時こそ、そばにいてほしいのにっ…



                               おわり







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黄赤・黒青・白テトムが本命のくせして、黄青書いちゃいましたvv
いやね、実を言うと、ガオにハマったきっかけが、このお二人なわけで、私的にはかなりツボなカップリングなのです。が、いかんせん本編でからんでないお二人なので、書きづらいったらありゃしない!
「おわり」とか書いてるわりには、全然終わってません。気が向いたら続き書くかも…(笑)
 
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