■  大切な言葉  ■




 エターナルの個室のひとつ、アスランの部屋に招かれた。
 隠すように握っている手から、何目的かはわかっていた。
 僕は、それを拒絶するつもりはない。
 幼い頃は、今ひとつわかっていなかった行為の意味。
 今の僕にはわかる。
 行為の中に感じる、愛と幸せ。
 ひとつになる感動。
 そして僕の愛…
 しっかりわかる。
 僕はアスランを好きなだけじゃなくて、愛してるってこと。
「はぁ…」
「なに溜息ついてるの?」
 アスランが尋ねてくる。
 振り返るアスランの肩に頭を乗せて、「ん…」と言葉を濁す。
「別に…ただ、久しぶりだなぁって…」
「そうだな…久しぶりだ」
「でしょ…?だから緊張してるのかも」
 苦笑を漏らし、目を閉じる。
 心臓が高鳴っている。
 こんなに、ドキドキするのはアスランに対してだけ。
 他のどんな人としても、こんな風にならない。
「大丈夫…すぐに、熱くしてあげるよ…」
 アスランの手が、僕の上着にかかる。
 耳の傍で、アスランの吐息。
「いいよ、好きにして…?」
 顔を上げ、軽く微笑んだ。
 すると、アスランがいきなり膝をつき、
「…めちゃくちゃにしたい」
 と、僕の手の甲にキスをした。
「ん…っ」
 ぞくっと、身体が震える。
 ナイトのような仕草…少しキザだけど、アスランがやるとかっこよくて。
「うん…アスランの前でだけ、乱れてあげる」
 ちょっとだけお姫様気分で、にこっと笑って見せた。
「嬉しいよ、キラ…」
 ズボン越しに、アスランが僕の股間にキスする。
「ぁ…っアスラン……して…?」
 感じて、ごまかすようにアスランの頭を撫でた。
 アスランは「わかってる…」と、僕のズボンとパンツをまとめて下ろす。
 すこし、驚いた。
「えっ…、ぁ…待って!…立ったまま、するの?」
「つらいなら、壁に体重預けてればいい」
 立ったままするつもりらしい。
 確かに、背中には壁があるけど…
「絶対立ってられない…」
「…どうかな。案外、イけるかもしれないよ…?」
 ちゅっと音を立てて、先端に口付けられる。
「ッあ!やだぁ…僕今日はあんまり我慢できなぃ、からねっ…」
「俺だって、我慢できないよ」
 アスランの舌が、僕を舐めてる。
 ずくん、と内側から湧き上がるものがある。
「…ア、スぅ…ね、もぅ欲しい…アスランがほしい、の…」
 壁に爪を立て、目をぎゅっと閉じた。
 目を開けると、僕のものを舐めてるアスランが目に入ってしまう。
「そんなこと言われると、今すぐ挿れちゃうよ?まだ、ココ堅いのに…」
 つんつんと、後ろに指の感触。
「ん、ぁ…それは…だめ、だけど…」
 後ろを触られると、身体に電撃が走って。
 どうにかしたい…!
「もぅ…僕…っ」
 このもどかしさを伝えたくて、手探りでアスランの髪に触れた。
 すると、アスランの口が僕から離れていく。
「思いは同じ…か」
 目を開けると、アスランが立ち上がって、僕の脚を片方持ち上げた。
「挿れるよ?」
「あ…だって、そこまだ…!痛くない…?」
 早く欲しいけど、そこは不安で。
 アスランの肩にぎゅっとつかまった。
「痛みなんて、そんなの、キラ次第だ…」
 身体がさらに近付き、脚の間からゆっくりとアスランが入ってくる。
「ひぁ…!…ッ…や、ん…」
 じわじわと広がる痛みに耐え、首に腕をまわした。
 壁とアスランに支えられながら、深く犯される。
「ぁく…!久しぶりだな…懐かしささえ感じるよ、ココ…」
「は、ぁ…っ…ィ、やだぁ…」
 膝に力が入らなくて、結合部に体重がかかる。
 そこから、アスランも痛みを感じているはず…。
 それなのに、アスランは引かない。
 ぽろ…と、涙がこぼれた。
「痛い?…ごめんね、愛してるよ…」
 少し持ち上げられて、つながりは浅くなる。
 やわらぐ痛みに、少しほっとしていると…
 手を離され、落とされ、奥を貫かれた。
「あぁ…ッ…!アスラン…っ」
 必死にアスランにつかまる。
 また、「ごめんね…」が聞こえた。
「ん、ぁ…ど、して…あやまる、の…?」
「キラを愛しすぎて…壊してしまいそうだから…」
 開いた口に、アスランの舌が入り込む。
 麻酔のようなそのキスは、僕を違う世界へ放り投げてしまう。
「ん、ぅ…ふ…ぁ…。ね、僕…アスランになら壊されたって…かまわない、よ…?」
「キラ…」
「僕も愛してる、アスラン……だいすき…」
「キラ…っ」
 奥が破れそうなほど、がんがん上下させられ、
 僕はもう、意識が飛んでしまいそうだった。
「ぁ、ん…ッ…アス…っ!」
「…大好き…だいすきだよっ…!」
「は…ぁ、すき…!」
 止まらない涙で頬を濡らし、背中に爪を立てるほど強くしがみつく。
 アスランは僕の唇、頬、首筋、顎に口付けながら、僕を呼び続けた。
 その声に、意識をとどめられていた。
「キラ…キラ……!…ぃ…イイ…?」
「ぅあ…いい、よ…すごくイイ…っ!ぁっ…だから、もぅ…イっちゃう、よぉ…!」
「俺もっ…あぁ……!」
 アスランの奔流を感じて、
「あッ…!んぁ…」
 達した。
 意識は飛び、身体は僕の支配から逃れる。
「おっと…!」
  ごん
 すごい音がした。
「いったぁ…」
 気づくと、僕はアスランを下敷きにしていて。
 アスランは床で後頭部を思いっきり打ったみたいだった。
「ぁ…ごめ…っ!」
 急いで起き上がろうとするけど、まだつながったままで、アスランの胸に手を置いて体重を支えた。
 立ったままするから、こういうことになったんだけど…。
「だ、だいじょうぶだ…」
「ぅわ…っ」
 強い腕に抱き寄せられ、僕はまたアスランの胸に倒れこむ。
「アスラン…?」
 見上げると、アスランは苦笑していた。
「なんか、今日は激しかったね…」
「ひ、久しぶりだったから…」
 真っ赤になって、うつむいた。
「キラ…こんなこと、他の人ともする?」
「なっ…するわけないよ!」
「本当に?」
「当たり前だよ!僕は…アスランにしかこういうコト、許したくないの…」
 アスランだけ。
 愛する人にだけ。
 だって、エッチはそういうものだから。
 好きな人に、もっと好きって伝えたくて、身体をつなげるんだから。
「ありがと…嬉しいよ。俺だけなんだね」
 そう言って、アスランは微笑んだ。
「好きだよ…俺も、キラ以外抱けない」
「ん…僕の全部をあげるから…僕だけを、愛して…?」
「あぁ…キラだけを…」
 誓うような、優しいキス。
「ありがとぅ…」
「うん…俺も、ついに…言う決心がついたよ……」
「ん…?」
「キラ…結婚しよう」
 ・・・・・!
 衝撃だった。
 まさか、「結婚」って言葉が出るとは思ってなかった。
 結婚ってことは…つまり死ぬまで、一生、愛し合うってことで。
 それはアスランがずっと、僕を愛してくれるってこと。
「僕、で…いいの…?」
 両手を口元で抑え、感激に身が震えた。
 アスランは静かに頷く。
「キラしかいないよ。…返事は、いつでもいい。俺は、待ってるから」
 僕は首を振った。
 今、言える。
 僕の中に、答えはひとつしかない。
 夢みていた。
 アスランとずっと一緒にいること。
 その夢が、手に入る。
「…僕でいいのなら、一生ついていく。…結婚、しよ?」
「キラ…!」
 いきなりきつく抱きしめられた。
 アスランの頬は熱くなっていた。
「アスラン…幼馴染みじゃ、なくなっちゃうね」
「たった今、この瞬間から、俺たちはフィアンセだよ」
「フィアンセ…かぁ。なんだか照れちゃうな」
「俺がフィアンセじゃ、恥ずかしい?」
「そんなことあるわけないでしょっ?胸張って、『この人が婚約者です』って言えるよ」
「そう…よかった。それ聞いて安心したよ。実は、それだけが不安だったんだ…」
 正面から顔を合わせて、微笑みあう。
 僕たちは、永遠の愛を誓い合ったんだ…。
「アスランと結婚か。両親にも、報告しないとね」
 オーブにいる母さんと父さん。
 あの時は、意地を張って会わなかったけど。
 ちゃんと、報告しなくちゃ。
「両親…か」
 ふいに、アスランの表情が暗くなる。
「…どうしたの?」
「母は死んだし、父とは絶縁同然だから…」
 あ…。
 そうだよね。
 アスランのお母さん…綺麗な人だったのに…。
 それに、お父さんとも…。
「一緒にお墓参りしよ?」
「あぁ…」
「それに、孫ができればアスランのお父さんだって…」
 ぷっと、アスランが吹き出した。
 え、なんで?
「バカだな。孫なんてできるわけないだろ?」
 …あ、そっか。
 アスランはまだ、堪えるように笑っている。
 なんだよー!
 人が元気付けようと思って言ったのに!
「…っ夢見るくらいいいじゃないか!」
「ふふ…そうだね」
 軽く、口付けて。
 頭を撫でられた。
 アスランのお父さん…
 実の親子なのに、こんなことになって…
「それに、アスランは独りじゃないよ」
「そう…だな。俺にはキラがいる…。キラには俺が…」
「…ん」
 目を閉じ、抱きしめた。
「これからは、ずーっと二人…だからね」
「あぁ」





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エターナルの設定ですが、状況的には、最近戦闘続きで全然エッチできてなかった…という感じです。
アスランは、婚約者にも父親にも裏切られ、もうキラしかいないんですね。
不幸なやつですね。





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