−離別、その先に−
「え…」
キラはスプーンを落とした。
あまりに突然な、アスランの言葉。
「それ、断れないの…?」
「無理だよ。社員順番で回ってくるものだから」
「そんな…それにしたって…。半年なんて…」
たちまち潤み始めるキラの瞳に、アスランは俯いた。
明日から、別のコロニーに行かなければならない。
何度も言おうとしたが、言うタイミングがつかめず、とうとう前日に告げることになってしまった。
当然、キラが嫌がる事もわかっていた。
それでも、仕事上仕方が無く。
明日から半年、キラと離れて暮らす。
「だから、今日…早く帰ってきたんだね?」
「うん…今日くらい、ゆっくりキラと過ごそうと思って」
「喜んで損しちゃった…」
「ごめん」
「ううん。仕方ないよね。仕事なんだし…」
悲しげに笑うキラが痛々しく、アスランは胸が締め付けられた。
結婚して、そろそろ1年になろうとしていた。
するり、と。
キラは服を脱ぎ、ベッドの上で、同じく裸のアスランに抱きついた。
泣いてはいけない、アスランを困らせてはいけないと思うほど、キラの目から涙は止まらなかった。
アスランの目にも涙が溢れた。
「ごめん…」
「アスランが…っ悪いわけじゃない…」
しゃくりあげながら、アスランの身体にしがみつく。
「そうだけど、キラをこんなに泣かせて…」
「ごめん…だって、とまらないんだ…っ」
「キラ…」
上を向かせ、深く口付けた。
「ん…」
キラは目を閉じ、夢中でその唇を味わう。
アスランも、同じだった。
半年、この唇に触れられない。
そう思いながら。
「アス…っ」
昂ぶり始めたアスランに気づき、キラは少し身体を浮かせた。
唇が、少し離れる。
「キラ…?」
「そのままで…」
アスランの茎を手で支え、その上に腰を下ろす。
何も、躊躇はなく。
「キラ、いきなり…?」
「大丈夫……っんん!!」
ずぶ…と、キラに取り込まれるアスラン。
「あぁぁッ」
「キラっ…」
抱きしめて、崩れ落ちそうなキラを支えながら。
包まれる快感に、アスランは集中した。
「ぁっ…アスラン…浮気したら、許さないんだからっ」
「そんなの、するわけないだろ…」
「んぁ…っ…本当?」
「俺は、キラしか抱けない…キラでしか気持ちよくならないっ…」
「あ…あっ…」
腰を上下させながら、キラは涙を振り払った。
身体を行き来するアスランを、忘れないように。
「っ…」
アスランは、キラを決して離さなかった。
この中を、忘れないように。
「アスラン…電話、してねっ?」
「毎日するよ…キラ…」
上も、下も、絡み合う。
そうして、夜はいつもより早く更けていった。
「気をつけてね…?」
キラは必死に涙を耐えながら、アスランを空港で見送った。
「うん。留守を頼むよ…」
アスランはそっと抱きしめて、コートで隠しながらキスをした。
その瞬間、つぅ…とキラの頬に涙が伝った。
飛び立つシャトル。
唇に残るアスランの感触。
これから半年、一人で暮らす家に、戻る気になれなかった。
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キラとアスランが離れ離れに。
なんか、あれですね。トリィとか渡しそうな雰囲気ですね。
これから、キラの一人ぼっちな生活が始まります。
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