■ 運命の人 ■
「アスラン、そろそろ寝ようか」
TVのニュースを見ていると、キラがそう言って傍に寄ってきた。
お風呂上りのキラからは、ふんわりとシャンプーの香りがする。
思わず、胸がきゅんとなる。
可愛い微笑み。
ここに引っ越して本当によかった。
戦争時はどこか辛そうに微笑む様子しか見られなかったけれど、
今は安心しきった様に、可愛い様子を見せてくれる。
昔と変わらぬ可愛さに、少し色気が加わっていて。
こんなふとした瞬間でも、愛しさがこみあげてくる。
「そうだね…寝ようか」
TVを消して、立ち上がると。
キラが、その暖かな腕を絡めてきた。
これは…
「キラ、したい?」
「・・・・・////」
真っ赤になって俯いている。
尋ねたのは、イジワルだったかな。
「いいよ、しようか」
まだ乾ききっていない髪にキスして、俺はキラをベッドにつれていった。
ベッドの上に座ってじっとしているキラ。
俺は自分のパジャマを脱ぎながら尋ねた。
「キラ、脱がないの?」
「え…」
きょとんとしている。
「だって…いつも、脱いでないから…」
「あぁ、いつも俺が脱がしてたんだっけ」
こく…とうなずく。
「脱がされる方が好きなら、いいんだけど」
にこっと微笑んでみせ、俺は自分のパジャマをすべて脱ぎ去った。
パンツとシャツだけで、キラを押し倒しにかかる。
「ぁ…脱いだ方がいいなら、自分で脱ぐよ?」
ぽすんと枕をつぶしてから、キラが不安そうに見上げて言う。
「どっちでもいいよ。どうせ脱いじゃうなら同じだろう?」
始めるよ…の意味をこめて、軽く唇にキスを送った。
ほわっと暖まったキラの身体に、ゆっくり触れていく。
ボタンをはずし、胸元…キスマークの残った場所に口付ける。
「んっ…」
びくっとキラの身体が跳ね、俺の髪にキラの手が触れる。
「アスラン…」
もとから甘い声に、さらに甘さが加わって、俺を呼ぶ。
「どうした?」
顔を上げ、キラの顔を見つめると。
困ったように、言いどもっていた。
「あの…ね…」
俺に手をのばし、抱きしめてくる。
「もう…お風呂でしちゃったんだ……だから…」
小さな声で言うのは、誘いの言葉。
つまり。
もうお風呂で一人エッチしたから、さっさと挿れて欲しいってことなのだろう。
なんだか、苦笑が漏れてくる。
「なっ…笑うなんてひどいっ////」
ぽかぽかと肩をなぐられてしまった。
「ごめん、なんか可愛いっていうか。おかしくて」
「ひどいよ…たまにはそんな時もあるんだもんっ」
「はいはい」
ごめんね…と頬にキスして、キラの足を持ち上げた。
見ると、そこは柔らかそうに潤んでいた。
「自分で指挿れたの?」
俺の問いに、はっきりとうなずく。
そっと触れると、吸い付くように収縮した。
「ぁん…アスラン…っ」
腰が揺れる。
指を挿れると、中は俺を待っていたように、ぎゅうぎゅう締め付けた。
「もう、欲しい?」
「う…ん、もう、大丈夫なんだ…。だから、早く…」
ぎゅっとシーツを握り締める手が、震えていた。
その手を優しく撫でてから、俺は先端をキラの入り口に押し当てた。
吸い込まれるように、キラと繋がっていく。
快感がひろがり、愛しさが溢れる。
「キラ…」
「あっ…もっと奥ぅ…」
強く抱きしめて、深く繋がって。
一つになる極みに、お互いを追い上げた。
目を閉じて、可愛い声をあげているキラ。
ずっと、ずっと好きだった。
離れても、殺しあっても。
ずっと愛していた。
俺が愛せるのは、キラだけだ。
初恋もキラ。結婚したのもキラ。
生涯でたった一人、愛しい人。
世の中の、いったいどれだけの人が、こんな運命の相手に出会えるんだろう。
俺は、恵まれているな…。
「アスランっ…もっとぉ…!」
「あぁ…イけそう?」
「んっ…イく…!」
目の前が白く光り、
俺は快感の果てで、ようやく身体の境界を越えられた。
目が覚めても、繋がったままだった。
キラはまだ夢の中のようで、むにゃむにゃと何か寝言を言っている。
どんな夢を見てるんだろう。
「俺も、もう少し寝るか…」
乾いた唇に、そっとキスをすると。
キラが幸せそうに微笑んだ。
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アスラン視点の方が書きやすいです。
なんでだろう。
やっぱり、攻め視点の方が書きやすいからかな。
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