■ 疑わないで ■
僕は知ってしまった。
アスランがいないと、不安で堪らなくなる自分に。
それどころか、
疼いて、どうしようもなくなるこの身体にも。
気づいてしまった。
アスラン…
君はどうなの?
君は…僕がいなくて不安になることはある?
疼いて、どうしようもなくなることってある?
いつも、爽やかな笑顔で澄ましてる君は、
僕のこと…どう思ってるの?
「キラ、一緒に帰ろう」
アスランが、僕の教室まで迎えに来てくれた。
でも・・・
「ごめん、先に帰ってて。僕ちょっと用事が…」
「だったら、待ってるよ」
「そうじゃなくて…その、遅くなるから…」
「多少遅くても平気だよ」
「えっと……とんでもなく遅くなるんだ。ほら、君のお母さん心配するだろ」
「それはそうだけど、キラだって遅くなるとまずいんじゃないか? いつも、早く帰らなきゃって言ってるじゃないか」
「う…それは……」
アスランのちょっかいから逃れるために、いつもそういう言い訳をしていた手前、言葉がつまる。
あきらかに不審な顔で首を傾げられて、僕は焦った。
本当は、用事なんてないんだ。
ただ、君の気持ちが知りたいだけ。
僕がいなくても、君は平気なのか…知りたいだけ。
「と、とにかく、今日は一人で帰ってよ!」
言ってしまってから、「あ…」と気づく。語調が強かったかもしれない。
アスランはしばらく僕の顔を見つめていたけれど…
「わかったよ」
と、僕に笑顔で手を振った。
朝は、とても早く家を出た。
母さんには、アスランが来たら先に行ったと伝えてくれるように頼んだ。
昼休みは、一人で食堂に行った。
いつもお弁当の僕たちは、食堂なんて行ったこともなかったから。予想通り、アスランはいなかった。
一人、食堂でランチボックスを空けた。
帰りは、アスランのクラスの方が遅いみたいだったから、急いで学校を出た。
「待てよキラ!」
「・・・!」
アスランの声が聞こえて、一瞬足が止まる。
けれど、聞こえなかったふりをして、振り返らずに早足で歩いた。
「待てってば!」
腕を掴まれる。
僕は振り返った。
息を切らしているアスランは、どうやら走って僕を追いかけてきたみたい。
そのことに、ちょっと嬉しくなりながら、僕はポーカーフェイスを崩さないように頑張った。
「なに?」
自分でも、驚くくらい冷たい声が出た。
僕って、こんなに嘘が上手かっただろうか?
「なにって…それは……こっちの、セリフだよ…」
まだはぁはぁと息を整えながら、アスランは僕の腕を離さない。
「どうして…急に避けるようなことするんだ…?」
「避けてなんか…」
「うそつくな。今日は、一回もキラに会えなかったぞ…?」
「たまたまだよ」
「そんなわけ、あるはずない!僕は、キラに会いたかったのに!」
ぐっと…身体を引き寄せられ、
キスされた。
「な、なにす…こんなとこでっ…」
困る。
ここは、路上なんだから。
いくら夕暮れでも、人通りのある場所なのだ。
「避けないで、キラ。どういうつもりなんだ?」
「・・・・・」
「僕が嫌いになったのか?」
そんなこと、天地がひっくり返ってもありえないよ。
僕がどれだけ、君に執着してるか。
自分でも、怖いくらいなのに…
「なに言って…」
「答えてキラ。他に好きな人ができたのか?それとも…!」
「こ、声が大きいよアスラン!人が…」
「だったら、こっちでゆっくり話そう」
そうやって、引っ張られたのは…公園。
そこの茂みに連れられて、僕は息を呑む。
ここ…前にエッチしたとこだ。
「さぁ、話してもらおうか。どうして僕を避けたりしたのさ」
「それは…」
言いよどんで見上げると…アスランの真剣な目と会ってしまった。
言えない…
だって僕は…ただ知りたかっただけなんだ。
僕のいない君を知りたかった。
2、3日したらまた、元のように仲良くするつもりだったのに…
早すぎるんだよ、アスラン…
「ごめん」
「なんで謝るんだ!キラ…まさか、ほんとに好きな人が…!」
「まさか。僕が好きなのは、アスランだけだよ」
そう言うと、アスランは安堵したようだった。
「じゃあ…どうして急に…」
「ごめん。…知りたかっただけなんだ……」
白状するしかないみたい。
だって、
僕が「好き」と言ったときの君の表情を見てしまったら…
嘘つき続けるなんて、できないよ。
「ばかなことを…」
「ごめん、アスラン。だって僕…怖かったんだ」
僕はアスランの優しい腕に抱きしめられながら、ぽつぽつと続けた。
「僕…アスランがいないとダメなんだ…。君がいないと、生きていけないよ…。
でも、アスランはどうなのかな…って…。アスランは、僕がいなくても生きていけるんじゃないかって…
そう思うと…怖くて…。いつか、君が離れていってしまったら……僕は……っ…」
言葉の途中で、
アスランは僕の唇を塞いだ。
「ん………」
ぽろっと…堪えていた涙が落ちてしまう。
「まったく…泣きたいのはこっちだよ…」
くしゃ…と、髪を撫でられる。
「いつも、言ってるだろ。…好きだよ、キラ」
「どのくらい…?」
幼稚な質問に、アスランは耳元で囁いた。
「キラがいないと生きていけないくらい」
ぎゅっと、より強く抱きしめられる。
その拘束が、とても心地良くて…
僕は、目を閉じた。
「アスラン…ここ、外……」
「前にも、ここでシたことあるだろ?」
「でも…」
「そういえば、前もキラ泣いてたね。なんでだったかな?」
前…は、確か………
…思い出した。
お弁当もらってたアスランを見て…嫉妬したんだ…。
「そういえば、キラが可愛いやきもち焼いたんだったね」
「い…言わないでよ…っ」
「ほんと、キラって僕のこと信じてないね…。ちょっと悲しいな」
あ…
そうか、僕…
アスランのこと、信じてなかったんだ…
「ご、ごめんっ」
「え?」
「ちゃんと、信じるから…アスランの言葉、信じる…」
「ほんとに?…じゃあ、聞くけど…」
アスランは僕と唇を重ねながら話す。
なんだか…唇がくすぐったくて、じれったい…
「僕は、キラのこと、どう思ってる?」
「え…」
「答えて、キラ…」
「は、恥ずかしいよ…」
僕がアスランを好きなのは、言えるけど。
アスランが…僕のこと…
「言えない?」
そんな悲しそうな顔しないでよ。
「…………き…」
「なに?」
「い、言ったよっ」
「聞こえなかったな」
「……もぉっ」
僕は、触れたり触れなかったりの唇を、自分から深く重ねた。
アスランは驚いたようだったけど、
すぐに応えてくれた。
「…ん……っ……」
最初は僕のペースだったキスも、すぐアスランに主導権を握られる。
激しく貪り合いながら、
僕は草葉に押し倒されていった。
「っ……ぅ…」
服の下から、手が這わされる。
その感触に身体が震えた。
「つめたっ……」
「すぐ熱くなるから…」
手は乳首の周りをゆるやかに触りながら、唇は僕の首筋の味を確かめる。
涙を流したあとで、敏感になった僕の身体は、それだけで感じてしまう。
「ぁん…」
「好き?ここ…」
ぷつんと立った先を摘まれて、身体が跳ねる。
「ん…すき……」
「なんか、素直だね…今日は」
目を閉じていても、アスランが微笑んだのがわかる。
「うん…だって……イイんだもん…」
「こっちは?」
いつの間にベルトを外したのか、するりとアスランが僕の昂りに触れてきた。
「ぁ…」
「どう?」
くにゅくにゅ捏ね回されると、
「や…ぁ……」
感じすぎちゃうよ…。
「嫌い?」
「きらい…じゃ……ない…」
僕はアスランの首に腕を回す。
もっと…もっとして…
アスランの愛撫…気持ちイイから。
「もうぐしょぐしょだ。ほんとなんだね…、本当に気持ちいいんだね」
アスランも、信じて…。
僕がこんなに、アスランを好きなこと。
「あ…ん……」
「一回イく? それとも、こっちいっていい?」
触れられるのは、後ろの入り口。
アスランの指先を感じただけで、きゅんっと窄まってしまう。
「もう…欲しい……」
「いいの?」
「いいから…きてっ……!」
ぎゅっとアスランの肩を握り締めた。
アスランは躊躇うことなく、僕に入ってきてくれた。
「あぁっ…!」
「んっ…きつ……大丈夫、キラ…」
「だ、いじょうぶ……」
ほんとは、痛くて痛くて叫んでしまいそうだけど。
この後の快感を知っているから。
今は早く、その快感を感じたい…!
「動いて…おねがいっ……」
「頭打たないように、しっかり支えてて」
「うんっ……はやくぅ…」
始めから、激しい律動に、僕は意識が飛んでしまいそうになる。
痛い…でも…
やっぱり、気持ちイイ…
感じて、感じて、もやもやとした流れが、そのまま腰の動きになる。
アスランの楔の形も、熱さも、すべて快感に繋がった。
「ぁっ…あっ……もっとぉ…!」
「…キラ……」
「ぃ…イイ……っ…イきたいっ…」
「いいよ、キラ…一緒にイこ…」
「あっ…あぁーっ」
射精後、ティッシュで後始末して。
僕はアスランに支えられて立ち上がった。
「無理したね、キラ」
「だってぇ…」
「ま、たまには…ね」
アスランは微笑む。
僕はその笑顔を見て、つられて微笑んだ。
もう、ばかなことはしない…
もう、君を疑ったりしないよ。
君は、僕を…
好きでいてくれるんだよ…ね?
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アオカン好きだなぁ…私。
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