■ ヒメハジメ ■






「キラ…」

「えっ…ちょ、ちょっと待ってアスランっ…」

「いいから、キラ。僕にまかせて…」

「や、やだもぉ…っ…くすぐった……ぁ…」

「ほら、見て…」



 鏡の前に立たされて、

 僕は驚愕した。



「これ………」



 アスランが僕に無理やり着せたのは、

 色鮮やかな………着物?



「綺麗だろ、振袖って言うんだよ」

「ふりそで?」

「うん。キラって日本系だから、よく似合うよ」



 そう言って、アスランは僕のうなじにキスする。



「んっ…」



 びりびりっと走る電気みたいな痺れは、ぐっと堪えた。

 すぐ感じちゃうんだもんな…。この身体。



「でも…上手く着せられないな。この写真通りに着せたかったんだけど」



 アスランが手に持っているのは、僕と似たような着物を着た女の人。

 その立ち姿はきりっとしてて、かっこいいけど。



 鏡に映る僕は、なんだか…よれよれ?



「でも、いいね…なんか、こういう着方も」



 アスランは満足してるみたい。



「なんだか…しどけないっていうのかな」

「シドケナイ?」

「うん。色っぽいよ、キラ」



 と、今度は耳にキスしてくる。

 もう…困るんだよね、そういう風にされると…



「ね、このまま秘め始めといこうか」

「なんか…今日はわけわかんないこと沢山言うね。なに?ヒメハジメって」

「ん…こういうこと」



 どさっ…

 と、僕は簡単に押し倒される。



「今年もよろしくね、キラ」



 にっこりと微笑むアスランに、

 僕が逆らえるとは…

 思ってないんだろうな。

 事実、今年もこんな調子になりそう…



「…うん」



 僕は…

 アスランと唇を重ねながら、

「よろしく」

 と形だけで答えた。







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アスラン、日本文化について勉強するの巻。
って感じです。
一応、お正月イメージで。





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