■6日目■ 《2》






 しばらく、
 動けなかった。

 暗い部屋。
 目を見開くキラは、

 ………してる?

「アスラっ…」
 キラは咄嗟に身を隠そうとして、毛布を取ろうとするが。
「あぅっ…!」
 鋭い痛みに身を屈めた。
「キラっ?」
 やっと我に返った僕は、キラに近づく。
 しかし、
「来ないでっ」
 悲鳴のようなキラの叫びに、足を止めた。
 上だけで、下は何も着けてないキラは、脂汗を浮かべて何かに耐えている。
 顔はあげない。
 僕の視線を避けるように、顔を伏せ身体を抱きしめている。
 しかし…さっき、僕が見たのは…
「キラ…」
「なんで帰ってきたの!?」
「え…」
 非難するようなキラに、僕は戸惑った。
 てっきり、寂しかったと抱きついてくると思っていたのに。
「なんでって…キラが寂しがってるかと思って、僕だけ早く帰ってきたんだけど…。ビックリさせようと思って…」
「・・・・・ぃ・・・」
 キラが苦しそうに呻くのを、僕は聞き逃さなかった。
「キラ、どうしたの!?」
「来ないでってば!」
 しかし、僕はキラに近づく。
 こんなキラを置いて、僕は引き下がれない。
「イヤっ!あっちいってよ!」
 キラは後ず去ろうとするが、
「ぁいっ…つぅ……」
「キラ、おまえ…」
 僕は、嫌がるキラを抱き寄せ、その後ろを確かめた。
「こんなものを…」
「いや…見ないで…」
 とうとうキラは、僕にしがみ付いてきた。
 僕の肩口で、すすり泣く。
 不自然に広がったキラの穴には、置物が埋め込まれていた。
 僕は、その物に触れる。
「ひぁっ…!」
 その僅かな振動に、キラは悲鳴を上げた。
 そして、さらに強く僕にしがみ付く。

 間違いない。キラは自慰をしていたんだろう。
 後ろで…

「キラ、じっとして…」
 僕はゆっくりと、置物を引く。
「ひっ…あぁ……いや…だめっ……」
 キラは、まるで溺れる人のように、必死に僕の背に爪をたてた。
 ゆっくりと、ゆっくりと異物を引き抜いてやる。
 そして、ずるりと。
 キラの押し出しも手伝って、置物は落ちた。
「ぁ……は…あはぁ………ぅ…」
 キラの身体が震えている。
 異物のなくなったキラの身体は、まるで熱を失ったようだった。
 僕は、キラを思い切り抱きしめる。
「ごめん…」
 なにに対してか解らない。
 けれど、僕は謝るしかできなかった。
「………アスラン……」
 蚊の鳴くような声で、キラが呟く。
「ごめん、キラ。寂しかった…?」
 僕は、できる限り優しく尋ねた。
 キラの心を溶くように。
 すると、僕の肩口はキラの涙で濡れた。
「寂し…かったぁ……」





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