■4日目■





「はぁ…」
 僕は湯船の中で溜息をついた。
 アスランがPLANTに行ってから、もう4日。
 1週間の家族旅行だから、帰ってくるのは明々後日になる。
 今朝届いた旅行先からのメールには、楽しそうなアスランの写真が添付されていた。

「はぁ…」

 また溜息がでる。
 たった1週間がこんなに長いなんて…。
 いつもはあっという間に過ぎていく時間が、アスランがいないだけで何倍も長く感じられる。
 アスランといるとそれだけで楽しくて、1日が24時間なんて短すぎると思っていたのに。
 夜だって、とても短すぎて…

「・・・・・・・」
 夜――を思い出して、自分の頬がかぁっと熱くなるのを感じた。

 やばい…
「のぼせた…かな」
 僕はコックを捻って、冷たいシャワーを頭から浴びた。





 ベッドに潜って、ライトを消しても…なかなか寝付けない。
 静かな部屋。
 窓を眺めても、夜這いにくるアスランはいない。

「来てほしくない時には来るくせに…」

 僕は唇を噛んだ。
 ベッドの中は温かいけれど、なんだか寒くて…
 身体を抱きしめると、
 アスランに抱かれている様な錯覚を覚えた。

「…っ!」

 慌てて腕を解く。
 しかし、身体はもう…アスランを思い出していて、
 彼が与えてくれるはずの快感を求めて、震えた。

 どうしよう…

 もう…我慢できない。

(ちょっとだけシて、もう寝よう…)

 そう思い、ショートパンツの中に右手を忍ばせる。
 すでに立ち上がりかけていた自分のものは、触った瞬間に違和感を感じた。
 たぶん…それは、当たり前だろう。
 自分でシたことなんて数える程しかなかったけれど、アスランに呑んでもらうのは殆ど毎日だったのだから。
 まだ本番は2回しかしてないけど…。

「んっ……は…ぁ……」

 上がる息を抑えながら、僕は右手で擦り始める。
 アスランの手を思い出して、アスランがしてくれたように…。
 でも、所詮はどう頭で想像しても、僕を触っているのは僕の手。
 とても、アスランが与えてくれる激しい快感は得られない。
 じれったい。じわじわとした感覚に、下腹部はもやもやしてくる。

「……っ…ん……ふ…」

 毛布を噛んで、さらに激しく擦ってみても、
 先走りが漏れるだけで、

 イけない。
 ぬるぬるとした先端に刺激を与えても、
 どんなにアスランを思い出しても。
 イけなかった。

「ぁん…っ……」

 僕は殆ど無意識に、左手でパジャマの中の乳首を摘んだ。
 甘い痺れが、身体を駆け巡る。
 親指と人差し指でくりくりすると、すごく…感じる。

「くっ…ぁふ……んっ……」

 毛布を噛み締めているから、酸欠で頭がくらくらする。
 とうとう涙まで、出てきてしまった。
 身体が熱い。
 熱くて…もどかしくて…
 空しく蹴り上げた脚で、毛布を落とした。

「ぁ…はぁ……っは…ぁ……」

 僕はもう無我夢中だった。
 快感を追いかけることに、夢中だった。
 自分ですることの罪悪感や背徳感を越えて、ただアスランとの情事を求めた。
 濡れた手をアスランの舌と思い込む事で、快感がまるで違った。

 そう…僕は自分でシてるんじゃない。
 アスランにサれてるんだ。

 左手を舐めて、再び乳首を弄ると、濡れてる事でまた違う刺激になる。
 そんな風に工夫しながら、僕は必死だった。

 あぁ…でも来ない。

 絶頂はもう、すぐそこなのに。
 もう少しでイけそうなのに。
 イけない。
 もっと、もっと強い刺激が欲しい。
 この疼きを快感に変える、強い刺激が欲しい。
 その時…僕は気づいた。
 うずうずしていたのは、前じゃなく…

 うしろだ…ということに。

 アスランを2度受け入れた僕の中が、うずうずして堪らない。

(挿れたい…!)

 そう思った瞬間、僕は濡れた右手を後ろへ滑らせた。
 穴に触れる。

「んっ……!!」

 すると、待ち焦がれていた秘所は、ずくんっと反応した。
 同時に、快感が駆け上がる。
 僕は迷いもせず、中指を中に挿れた。
 思いのほか軽々と入っていく、自分に驚いた。
 しかし、第二関節まで入っただけで、それ以上は腕が足りない。

「んっ…あ……っ」

 指を動かすと、信じられない程気持ちいい…

(僕の中って…こんな感じだったんだ…)

 指先で、自分の中を確かめる。

(熱くて…とろとろしてる…)

 たまらず、もう1本指を挿れた。
 入り口を広げる…感覚。

「ひっ…ぅ……ぁん……っ…」

 右腕が痺れて辛いのも、気にならない。
 気持ち良くて…

「アスランっ…あぁ……」

 ティッシュで受けるのも忘れて、

 吐精した。

(僕…うしろで気持ちよくなる身体に、なっちゃったんだ…)



 重くなる瞼にまかせて、僕はそのまま眠った。





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 キラくんったら、一人エッチの仕方知らないんですよ。  四つん這いになってヤればいいのにね♪


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