■それでも■





「はぁ…」
 と、アスランは大げさに溜息をついた。
 しかし、目の前の少年はそんな彼に一瞥もくれない。
「そんな風に同情ひこうとしても、だめだからね」
 ツーンという音が聞こえてきそうなほど、キラの態度は頑なだった。
 お気に入りのクッションを抱いて、むすーっと頬を膨らませ、何かあるわけでもないのに一心に壁を向いている。
 アスランは演技でもなんでもなく、深く溜息をつかずにはいられなかった。
「ねぇ、キラ。そんなに意地を張ることないじゃないか」
「知らない」
「キラだって、気持ちよかっただろう?」
 あの時…
 と、続けるアスランに、キラは真っ赤になって怒った。
「あれは!アスランが無理やりしたんじゃないか!!」

 あの時。
 二人でお酒を飲んだ翌朝、アスランは半ば無理にキラを抱いた。
 初めてだったにも関わらず、二人は共に快感を覚え、結局二度寝してしまったあの時。
 キラは、
「もぉ、ぜぇーーーーーーーったい、あんなこと許さないからねっ!」
 と断言した。

「確かに、あの時は強引だった。そのことは反省してる」
「だったら…っ」
「だから今日は、ちゃんとセックスしよう」
 アスランは真剣に、キラを見つめた。
 その真摯な眼差しに、一瞬押されかけたキラだが、それでもぶんぶんと首を横に振った。
「どうして?」
 だんだん、アスランも傷ついてくる。
 愛し合っていることに、自覚はあるというのに。
「だって……!」
 キラは言いかけて、すぐクッションに顔を伏せた。
「だって…何?」
 そこにアスランが近付こうとすると、キラは同じ分だけ後ろに下がる。
 だが、その態度に負けまいと、アスランはさらに近付いた。
 キラも下がる。
 アスランが詰め寄る。
  とんっ…
 とうとう、キラの背に壁が当たってしまった。
 もう、逃げる距離はない。
「キラ、言ってくれないと…。僕だって、男なんだよ?」
「僕だって男だ!」
 キラは観念したのか、キッとアスランを見上げた。
「僕は男なんだよ!アスランと一緒になれるのは、凄く嬉しいし、その…愛してるし、気持ちよかったけどっ……
 でも!アスランにされて…あんな風に、なっちゃうの……恥ずかしいんだもん!」
 そこまで言って、何か込み上げてきたのか、キラは涙目になった。
 その涙に、アスランは焦る。
「わっ。ごめん、泣かないでよ」
「泣いてない!」
「ごめん…でも…僕はキラと気持ちよくなりたいし…」
「僕だって、気持ちいいの好きだよ」
「だったら…」
「でも嫌なの!」
 キラはクッションをぎゅうっと抱きしめた。
 そして、小さな声で、
「どうして…僕が下なんだよ……」
 と呟く。
 その声をアスランは聞きとめて、はっとした。
「もしかして、キラ…下に不満があるの?」
「あっ…当たり前だろ!言ったじゃないか、僕だって男なんだから…!」
「じゃあ、キラが上なら文句ないんだね?」
 アスランの案に、キラは顔を上げる。
「え!?…いいの?」
 やっと、セックスを始められそうで、アスランは微笑した。
「うん。いいよ」

 アスランは、キラの服を脱がせ、その中心に顔を埋めた。
「…んっ……!」
 キラの身体が跳ねる。
 その茎をアスランは舐め上げ、キラを屹立させていく。
 柔らかだったそこは、みるみる硬くなり、天井を仰ぎ始めた。
「あんっ…アスラ……そこっ…」
「うん。わかってる」
 くびれを指で擦り、先端をちゅうと吸い上げると、キラが背を震わせる。
「あぁ―――――っ…!!!」
 そして、激しく摩られ、あっと言う間に射精した。
 絶頂感に、キラが喘いでいると、アスランがキラを抱きあげる。
 そして、自らは仰向けに寝、キラをその上に乗せた。
「……?……アスラン…」
「上なら、文句ないんだろう?」
「うん…でも、僕まだ…」
 …アスランの、してあげてない。
 言外にそう言うキラに、アスランは自分のものをキラの股に擦り付けることで答えた。
「アスラン…硬いね」
「言うなよ、恥ずかしいな」
 アスランは苦笑して、キラの尻を撫でる。
 その手に、キラはびくっと反応した。
「ちょ…アスラン!」
 慌てて尻を撫でるのをやめさせようとするが、アスランの指が谷間に入り込み、
「あんっ…!」
 キラは堪らずアスランの肩に抱きついた。
 アスランはキラの体重を感じながら、窄まりを撫でる。
 きゅんと頑ななそこは、アスランの指を感じて、さらに硬く侵入を拒否した。
「キラ…力抜いてくれない?」
「何言ってるんだよ!上ってそういう意味じゃ……ぁんっ!」
 つぷ…と、アスランの指が隙を見て窪みに入る。
 入り口をちょっと広げられただけで、キラは仰け反った。
 追い出すように力を入れても、アスランの指は容赦なく深く入ってくる。
「あぅっ…いやっ……あぁ…」
 指はキラの中を探り始める。
「あぁん!…だっ…めぇ……そこ…いやっ」
 あおして探り出されてしまったポイントに、キラは頭を振った。
 あの朝の記憶が、思い起こされる。
 アスランを受け入れた、あの時の快感が。
「ああっ…やめ……っ…ぁ……!」
 指はいつのまにか増やされていて、快感が沸々と湧き上がって来る。
「キラ、気持ちいい?」
 黙っていたアスランが、ふいに問いかけてきた。
 キラは唇を噛み締める。
「ひ…どい……」
「そう?」
「期待させといて…っ……あんっ…!」
 どこまでも白々しいアスランに、怒りを感じる。
 しかし、それよりも大きな快感に、キラはもう我慢が効かなくなってきた。
 もどかしい感覚。
 もっと大きな刺激を求めている自分に、嫌気がさす。
 キラは目の前の胸に噛み付いた。
「っつ!…キラっ」
 アスランが苦痛の表情を浮かべる。
 いい気味だと、キラは微笑むが、そのお返しは酷かった。
「ああぁっ!いやっ…アスランっ……!」
 指は3本に増やされ、激しく中をかき回される。
 そして散々刺激を与えて、アスランは指を曲げた。
 3本の指は、曲げることでキラの中を広げ、そして…
  ずぼんっ
 派手な音と共に、曲げた状態のまま強引に引き抜かれた。
「ああんっ………!!!」
 キラは大きく背を反らせる。
 その衝撃は凄まじく、キラの目から涙がこぼれた。
 排泄感と綯い交ぜになって、快感とも苦痛ともつかない、とにかく酷い感覚。
 キラは力なく、アスランの胸の上で意識を失いかけた。
 だが、くるりと体位を変えられて、アスランの体重を感じると、意識は無理やりにも起こされた。
「アスランっ…!」
「ごめんねキラ。おまえが自分から挿れて欲しくなるまで待とうと思ったんだけど…」
 アスランはキラの脚を持ち上げて、苦笑した。
「こっちが我慢できなくなった」
 ふにゃふにゃになった蕾に、熱いアスランが宛がわれる。
 そして、躊躇なくキラの中へ押し入ってきた。
「あぁんっ…あっ……いやぁ!…っ……」
「ごめん、キラ。でも、気持ちよくなって…」
 絡み付くキラの内壁に、アスランは息つきながら、そう懇願した。
 しかし、アスランに願われるまでもなく、キラは快感に涙をぽろぽろ流す。
「あぅっ…い……やぁ……っ…アスランっ……!」
 キラは、激しくアスランを締め付けながら、自ら腰を揺らした。
 アスランも体重を使って、キラの最奥を突き上げる。
 そうして、二人同時に果てるのに、そう時間はかからなかった。

 ぐったりと眠るキラに、アスランは溜息をついた。
 またやってしまった…
 と。
 キラが起きたら、開口一番何を言うだろう。
「張り手の一つは、覚悟しといた方がいいかな…」
 アスランは苦笑して、キラのこめかみにそっとキスした。


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「朝」と「朝の続き」の続き?というか、なんというか…
とにかく、Hが書きたかっただけです。(おいっ)
また意味も無く、ガンダムと何も関係ないあたり…はぁ…(涙)




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