アスランの声。
「僕たちは、敵じゃない!」
ヘッドスピーカーから聞こえる、アスランの声は…
どこか切羽詰っていて、
真剣で、
僕を強く引きずり込むような、引力を感じた。
このまま、
アスランの元に飛び込んでいきたい。
声に引かれて、このまま…
そして、昔のように…
その時、アークエンジェルが攻撃を受けていた。
あと少しで、アスランに引かれていた僕は、
ウィンドウに現れた、アークエンジェルの被害状況にはっとした。
アスランが呼ぶ。
「ザフトに来い!」
そこは、アスランと一緒にいられる場所。
アスランに…触れられる場所。
だけど…
「キラっ…!」
僕がザフトに行ってしまったら、
サイはどうなるの?
ミリアリアは?カズィは?トールは?
フレイは、民間人だ。
もちろん、サイ達も民間人だけど、今は艦で働いているんだ。
地球連合の制服を着て…。
ザフトは、どうする?サイ達をどうするの?
捕らえた地球連合軍の少年たちを…どうするの?
サイは、どうなってしまうの!?
アスランが行ってしまって、
戦争が始まって、
メールも届かなくなってしまってから、
僕は、寂しさに暮れていた。
眠れない夜は、トリィを抱いて涙を流した。
アスランの笑顔が見たかった。
アスランに触れたかった…!
でも、いくら見ても、僕の寂しさは癒されなかった。
もう…寂しくて、悲しくて……
死んでしまいそうだった。
けれど、その悲しみから
サイ達は、僕を救い出してくれた。
コーディネイターの僕に、優しく笑ってくれた。
――友達だろ。
そう言って…。
僕を、死にそうな寂しさから、救ってくれたんだ。
そんな彼らを…
裏切ることなんてできない!
見捨てることなんて、できない!
僕の我侭で、君の腕の中には行けないよ。
僕には、大切な友達がいるんだ。
好きだよ、アスラン。愛してる…
「やめろ、キラ!」
ああ…
ピッ
「…!」
あの艦には…サイたちが乗っている。
「キラ!」
ザフト…
「どうしたんだキラ!僕たちは、戦う必要なんか…!」
昔…
アスランの声が聞きたかった。
どんなに、過去のメールを見ただろう。
「キラ!」
ごめん…アスラン。
でも!
「行かない!」
行けない…
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||