カーテンから差し込む朝日のまぶしさに、目が覚めた。
時計は………7:02。
アラームは7:30にセットしてあるから、僕にしてみては随分早い目覚めだ。
それならば、今日は余裕をもってモーニングコーヒーでもしようかと、起き上がろうとしたその時、
「…ん?」
隣に大きな障害物。
「…ぅ……」
その障害物は、僕に蹴られて小さく呻いた。
(まさか…)
僕は寝ぼけていた目を擦り、おそるおそる布団をめくってみる。
すると…
キラが裸で眠っていた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
声にならない叫びをあげる、僕。
なぜ!?なぜキラがこんなところに…!?
慌てて、下の方も確認すると…下着はちゃんと付けていた。
とりあえず、ほっ…とする。
しかし…いったいどうして…?
僕は懸命に昨日のことを思い出そうとする。
だが、なにかガンガンとした頭痛に阻まれ、まったく思い出せない。
「んぅ……」
その時、キラが小さく身じろぎし、ゆっくりと瞼を上げた。
「あ、キラ」
「…うわぁっ!アスランっ!?」
僕の声に驚いたのか、キラは飛び上がる。
しばらく、しーん…とした沈黙のあと、
キラは自分がパジャマを着ていないことに気づき、慌てて布団を手繰り寄せた。
じんわりとキラの目に涙が浮かび、キッと睨みつけてくる。
「アスラン……どうして、あんなことしたのさ」
ぎく―――――ッ!
やはり僕は、キラによからぬことをしてしまったらしい。
あぁ、今まで妄想の中に留めていたのに、ついに現実にキラを…
これまで積み上げてきた信頼や友情の山の、がらがらと崩れていく音が聞こえてくるようだった。
もう二度と、キラの隣に居る事は許されないのか。
「…アスラン、聞いてる?」
ショックで焦点の合わない僕の目の前で、キラが手をパタパタ振った。
僕はようやく我に返る。
と、とにかく謝らないと…っ
「ごめん!僕、なにも覚えていないんだ。キラに何をしてしまったのか。もしかしたら、取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれない。
けれど、解ってくれ。僕は、おまえを大切にしたいんだ!一時の気の迷いと、笑って済ませとは言わないけれど、どうか許して欲しい。
僕は、キラの身体だけじゃなくて、本当にすべてを愛しているんだ。
キラが好きなんだよ!」
ほとんど、何を言っているのか解らないようなパニック状態で、僕は必死に言いつくろうが…
キラは、
「へ?」
と首を傾げる。
「何言ってるの?アスラン」
「…だ、だから、僕は覚えてなくて…」
「忘れちゃったの?あんな事しておいてっ…」
「ごめんっ」
「おかげで僕、全然眠れなかったんだからねっ」
「本当にごめんっ…………て、え?」
眠れなかった?
「キラ…、いったい僕はおまえに、どこまでしてしまったんだ?」
「はぁ?…もぉ、どこから忘れてるのさ。2人でお酒飲んだことも忘れたの?」
「酒……?」
その瞬間、僕の記憶がぱぁっと甦った。
あぁ、そうだ。
僕はキラを家に誘った。昨日から父も母もPLANTに行っていて、僕1人だったから。
そして、軽いワインを飲んだんだ。好奇心で。
それがとても美味しくて、
つい2人で悪飲みして…それから………
…あれ?
それから、そうしたんだっけ?
「君は、僕を脱がせたね。自分は脱がないで」
あ…。
「そして、散々僕にキスマークつけて、急にくかっと寝ちゃったよね」
キラは怒りをあらわに、僕を睨み続ける。
「おまけに!よーやく落ち着いたところに、また君が寝ぼけて僕にちょっかい掛けるものだから、またキちゃって…それの繰り返しだよっ!
いったい、どーいう神経してるのさ!!」
僕は、叫ぶキラの右手をつかみ、キラの身体を隠している布団を剥ぎ取った。
確かに、そこには痛々しい程にキスマークが散りばめられている。
これを…僕が…?
「アスラン…っ」
ギリっと僕を睨み、キラは僕から布団を取り返した。
「どうしてくれるの?こんな見えるところにも残っちゃって。僕もう、今日は人前に出られないじゃないか!」
「ごめん…」
僕はキラに、もう何度目だろう、謝罪した。
そして…キラを押し倒し、その上に覆いかぶさった。
「アスラン?」
驚いて、キラは僕を見上げる。
「責任、とるよ」
僕なりに。
「えっ…ちょ、責任って…?あ、アスランっ!?」
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