■味■   《2》


「えっ…?なにを?」
「なにをって………キラのもなめてあげる」

 そう言って、アスランはキラの足の谷間に、顔をうずめてきた。

「ひっ……!」

 アスランの吐息が、敏感なところに当たって、僕はほとんど反射的に腰を引いた。

「どうした?」

 逃げようとする僕の腰を捕まえて、アスランは尋ねる。
 しっとりと汗ばんでいるアスランの手が、僕のおしりにある。

「あ、アスラン!僕は…いいよ」
「どうして?すごく気持ちがいいことなんだよ?」
「でもっ…」
「それに、僕もキラにしてあげなきゃ、『ぬきっこ』にならないじゃないか」

 『ぬきっこ』。
 アスランに誘われた時は、何のことだか解らなかった。
 とてもおもしろいことだよ、と言われて、承諾したけれど、
 まさか、こんなことだったなんて。

 アスランが服を脱いで、僕のも脱がせ始めた時は、
 ほとんど頭がパニックだった。
 どうして脱ぐのか、聞いてもアスランは答えてくれなかったし。
 僕の服を脱がせている時、だんだん立ち上がっていくアスランのものに、目を奪われた。
 でも、どうしてそんな風になるのか、なんだか聞けなかった。

「・・・・・」
「キラ、大丈夫。僕にまかせて」

 うつむいて、何も言えずにいると、アスランが僕の顔を上げて…

 キスした。

 今まで、キスは何度もしてきたけれど、
 このキスは、今までのキスとは何か違う。
 唇が離れても、
 アスランの名残があるようで、
 切ないような、妙な気持ちになった。

「キラ…」

 アスランが優しく僕のものに触れる。
 熱い、手。
 僕は、自分を襲うこの感覚がわからなくて、無意識に自分の身体を抱きしめた。

「大丈夫…」

 呪文のように、アスランは囁いて、
 僕のシンボルに近づく。

 ねっとりとした舌が、僕のものに触れ…いや、僕のものを撫でた。

「っ…!」

 その瞬間、身体に電気が走った。
 ぱちっと、スパークしたみたいだった。
 そして、

 快感が襲ってきた。

「あぁっ…」

 僕は声をあげずに、いられなかった。
 アスランの熱い舌が、僕をなめまわす、
 その所作のひとつひとつが、快感の波を生む。

「ぁ…い……やぁ………っ」

 僕はアスランの頭を、股間に押し付けた。
 アスランの口に、僕を押し付けた。

 もっと強い快感が欲しくて。

 それに答えるように、アスランは僕を丸呑みにした。
 せまいアスランの口の中は、気持ちよく僕をしめつける。

「あ…ぁ……」

 頭が真っ白になる。
 痛いくらいの、快感。
 こんなの、初めてで…
 怖い。

「あぁ…は……ぁ…」

 アスランに、激しくしゃぶられながら、
 僕は、下腹部に疼く何かを感じた。
 もやもやと、
 どうにもできない、切なさと、
 苦しい快感にのまれながら…

 アスランが、さらに激しく僕を吸い上げる。
 快感が、これ以上ないくらい大きくなって…

「ああぁっ!」

 はじけて、
 意識を失った。



「キラ…」

 僕を呼ぶ声がする。

「キラ、大丈夫?」

「……アスラン…」

 僕は、目を開いた。
 アスランの心配そうな顔が、視界いっぱいで、
 なぜか安心した。

「あ、キラ。まさか気を失ってしまうなんて…」

 気がついた僕に、アスランは安堵したように息をついた。

「で、どうだった?キラ」
「なにが?」
「『ぬきっこ』だよ。気持ちよかった?」
「あ…」

 やっと、先ほどの行為を思い出して、僕は恥ずかしくなった。
 だって、たぶん凄いことした。僕たち…
 でも…

「うん…」

 気持ちよかった。
 とても。

「だろう?」
「うん。すごかった…あんなの、知らなかった」

 なにか、冒険の秘宝を見つけたようなワクワクした気持ちになる。
 知らなかった、快感。
 気持ちよすぎて、意識が飛んでしまうくらいの。
 あんなの、知らなかった。

「ねぇ…キラ」

 ベッドに裸のまま寝て、僕の髪を撫でながら、アスランは囁く。

「これからも、こういうことしない?」

 僕は、答えずに。

 アスランの腕の中に、もぐりこんだ。


おわり


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 アスキラですよ〜。ショタですよ〜。
 初めてのぬきっことかしてますよ〜。
 もう、私はダメです。(なにが?)



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