□はじめての…□



「だーっ!もー、上に乗れって言ってんだろ!」
 鮫津海は、いつまでも戸惑っている彼に、しびれを切らした。
「いや、だって、自分重いし…」
 しかし、牛込草太郎はまだぐずる。
 もう30分はこうして言い合っている。ベッド上で。向かい合って座って。
 海はこの日を楽しみにしていた。
 今日は、前々からヤルと約束していた日。と言っても、海が無理やり約束させたのだが。
 この日のために、雑誌で勉強したり、レッドに聞いてみたりと、海は抜け目なく予習したというのに。
 草太郎は今になって、やめようとしだすのだ。
「なんだよっ!そんなに、オレを抱くのが嫌なのかっ?」
「そ、そうじゃない!」
「だったら乗れよ!ずっと…ずっと楽しみにしてたんだぞ!」
 海は叫んで、少し涙ぐんだ。
 唇をかみ締めて、草太郎をにらみつける。
「海…」
「ヤル気になったか?」
 草太郎の呟きに、海は押しを強める。
「恋人にここまで言わせて、ヤらねーなんて、男じゃない!」
 そこまで言われて、草太郎は大きくため息をついた。
 どうやら観念したようで、
「わかったよ。でも、辛かったらすぐに…」
「辛くしたら…わかってるよな?」
「………はい」
 海はその返事に満足そうに笑った。
 その笑顔を確認してから、草太郎は慎重に海を自身の体で寝かせた。


 不器用なキス。
 遠慮がちに入ってくる舌に、海は懸命に応えた。絡ませて、引きずり込んだりした。
 長い長い口付けに、海はうっとりしながら…しかし、
  ばしばしっ
 平手を草太郎の頭に連打した。
 当然、唇は離される。
「海、どうし…」
「くるしーんだよ!ばか!!」
 ムード台無しだ。そんなことを海は思った。
「少しは、角度を変えるとかしろ!息継ぎできないだろ!」
「ご、ごめん」
「もぉ!キスはいいから、早くすすんでよ!」
 海はそこまで言って、目を閉じた。
 草太郎は、もういちど海の唇に軽く触れて、舌を首筋にすすめる。
 ひくっと、一瞬海の体が震える。
 律儀に舌を引っ込める草太郎。しかし、海の怒りの眼差しを受けて、再開する。
 草太郎が、海のパジャマに手をかける。
 海のパジャマはボタンの前あわせ。これは、レッドのアドバイス。そう、脱がしやすいのだ。
 しかし、レッドはもっと脱がしやすい甚平をパジャマにしている。イエローは一瞬ではいでしまうらしい。まぁ、これは余談。
 草太郎は一瞬ためらって、一番上のボタンに手をかける。
 そのとき!


「みんな起きてええぇぇぇぇぇっっ!!!」


 号砲のようなテトムの声が、ガオズロック中に響き渡った。
「な、なんだぁっ?!」
 海と草太郎は跳ね起きた。
 そして、大慌てで泉の前に向かっていると、足元が揺れ始めた。
「は、発進してないか?」
「そうらし…うわっととと!」
 バランスを崩しかける海の腕を、草太郎は慌ててつかむ。
「ふぅ…さんきゅー」
 海はスマイルつきで、そう言った。


 泉の前に着くと、みんなも着いたところみたいで、各々眠そうに目をこすっている。
「オルグの反応よ!」
 マイペース巫女・テトムは、夜中だろーがハイテンション。
 艦長よろしく、
「発進!!」
 ガオズロックは浮上した。


(あぁ、もぉ!!こんな時に!ってゆーか、草太郎がさっさと始めてれば、もっとヤれたのに!
あぁーーーーーっ!草太郎の、ばかっ!!)
 海は心の中で、恋人に思いっきり罵声を浴びせた。


                              おしまい




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 あぅー…ごめんね。全然ヤってないね…
 東映さんのねらいは青黒なんだけど(ねらってないって…)、私は黒青派v
 だって、青黒だとさぁ、黒のダメージが少ないじゃない?
 それって私的に萌えないから…
 やっぱ、受けには必死にもがいてほしいワケよ!
 …でも、へたれ攻って書きにくいなぁ〜
 今度はリバ書くか。(←節操なし)
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